昨日11月3日と本日4日、大阪城天守閣前本丸広場にて「ブルターニュ大公城友好城郭提携記念 幕末150年フェスティバル」が開催されました。
15代将軍・徳川慶喜が1867年、政権を朝廷に奉還して徳川265年の治世に幕を降ろしてから、今年でちょうど150年が経つんですね。
幕末に江戸幕府を支援したフランス公使レオン・ロッシュと慶喜は大阪城の本丸御殿で公式会見を行ったことがあり、150年後の今年、大阪城とフランスのブルターニュ大公城が友好城郭提携を結びました。
それを記念したイベントの一環として、昨日3日は上山藩鼓笛楽と祝典歌劇が披露され、うきうきと足を運んできましたよ。
山形・上山藩鼓笛楽
徳川の譜代だった上山藩(現・山形県上山市)は洋式兵学を取り入れ、戊辰戦争の頃にはフランス式の調練を行っています。
その当時の軍楽隊が演奏した曲が、なんと上山藩鼓笛楽隊により保存されてきたそうです。
大太鼓1、小太鼓2、篠笛6~8で編成され、全4曲を伝承。
今回はそのうち3曲が披露されました。
衣裳、かっこいいですよね。
演奏は隊長さんの「○○始め!」という勇ましい掛け声で始まります。
1.「早足」
行進する時の曲で、士気の高揚を目的とするマーチ。
決してテンポが早いわけではないのに不思議な迫力があるのは、太鼓×笛という組み合わせの為せる業でしょうか。
2.「礼式」
必勝祈願の曲で、現在も月岡神社の神事で演奏されているそうです。
厳かな雰囲気のメロディでした。
3.「遅足」
凱旋の曲だそうで、とても誇り高い感じがしました。
大太鼓の音は無条件に腹に響き、笛の音は精神を高い位置にキープする。
そんな感想を持ちました。
それにしても戊辰戦争の頃と同じまま伝承されているのがすごいですよね。
1973年に上山市の無形文化財に指定されていますが、受け継いでいくのは容易ではないようです。
大太鼓の男性が隊長で、33歳と若いのですが、下の世代に「バトンを渡さないと」と小学生に課外活動で教えたりしているそう。
その甲斐あって隊員には中学生が4、5人いらっしゃいましたが、ぜひこういう活動をしていることを誇りに思ってほしいものですね。
隊長さんが「また150年後も呼んでください。」とおっしゃっていました。
祝典歌劇「出会いの宴~150年の時を越えて~」
4月に大阪城・ブルターニュ大公城友好城郭提携記念の調印式で披露された祝典歌劇も、今回初めて一般公開されました。
150年前に本丸御殿で行われた、徳川慶喜とレオン・ロッシュの会見をイメージした作品だそうです。
作・演出:北林佐和子
振付:伊瑳谷門取
雅楽で始まりました。
出演は、元宝塚歌劇団の麻樹ゆめみさん。
元OSK日本歌劇団の沙月梨乃さん。
そして慶喜役を演じられた元宝塚の鳴海じゅんさん。
さすが、男前ですね。
おめでたいことなので、曲も踊りもとても華やか。
この辺りまでは日本舞踊のようなのですが、途中で曲調が洋風のものにがらりと変わり、歌が入ります。
私は日舞はたくさん観たことがあるものの、ミュージカルには馴染みがありませんでした。
が、歌劇って素敵ですね!!
和の歌劇っていい!!
麻樹さん、とても美しかった…
夢中で見ていたらあっという間。
心わしづかみでした。麗しかった!
まとめ
どちらも本当に素晴らしいプログラムで、いっそう歴史に興味がわきました。
今日4日はこのステージで、同じく調印式で披露された能「土蜘蛛」が特別上演されました。
これも見に行きたかったけど行けなかった…無念。
ステージプログラムはこの2日間ですが、特別展「幕末大坂城と徳川将軍」が11月26日まで、天守閣の3・4階展示室にて行われています。
谷町・空堀から大阪城は徒歩圏内、ほどよい散歩コースなのに、今まであまり足を運んでいませんでした。
これからもっと運動がてら勉強しに来ようと思います。