ちんどん芸能サロン「活動大写真よ永遠なれ~ジンタと弁士が残した遺産」

昨日は林幸治郎氏のちんどん芸能マニアックサロン「活動大写真よ永遠なれ~ジンタと弁士が残した遺産~」を聴きに行ってきました。

11月10日(金)に無声映画の会「娯楽の最高潮!ああ懐かしの活動大写真」を開催されるのですが、そのスピンオフ企画です。

前回はドラキュラの支度で登場した林社長、今回は時代劇の町人風な和装でした。

今回も青木美香子さん(唄)と

仮屋崎郁子さん(アコーディオン・唄)がご出演されました。

さて今回採り上げられた“ジンタと弁士が残した遺産”とは、歌謡ショーの「前説」でした。

専属の司会者がイントロにのせて歌手や楽曲を紹介して盛り上げる、昭和の時代によく見られた語り芸です。

林社長がその前説を実演してみせ、

そのまま唄に入るという素敵な構成。

・「東京の花売り娘」

・「青春のパラダイス」

・「津軽海峡冬景色」

・「長崎の女」

などが前半では歌われました。

語りの音数、調子、メリハリなど、これから歌われる曲を最大限引き立てるのはやはりプロの仕事ですね。

ここ、という良いタイミングでバトンが渡ると、聴いている方も気持ちがいい。

曲が引き立って歌手が気持ちよく歌えてこそ、お客さんの耳に心地よく響くものだと感じました。

後半はその”語り”を、司会者ではなく歌い手本人が曲の中で行う手法を採り上げました。
曲中の台詞ですね。

その真っ先に挙がったのが

・「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」

まさか林社長の「…アンタ、あの娘の何なのさ?」が聴けるとは!

「上手くいくかな~。やったことないんやけど。」とおっしゃってましたが…とにかくここは盛り上がりました(笑)

ほかに歌われたのは

・「からたち日記」

・「みずいろの手紙」

・「傷だらけの人生」

また後半では堀内敬三の著書『ヂンタ以来(このかた)』の一節が林社長により朗読され、これがとても印象的でした。

「ヂンタ」というのは元は音楽隊でしたが、やがて衰退してサーカスや映画、その他の広告に町回りをするようになったもので、昭和に入る頃には消滅してしまったそうです。

哀調をおびた独特の節回しがあったようですが、チンドン屋の源流の一つとも言えるでしょうか。

ヂンタの奏でる虚無的・退廃的な哀愁漂う旋律。
しかしその音が近付いてくる時は嬉しく、遠のいて行く時は物足りなく寂しい―そんな回想シーンでした。

ノスタルジックな感情がひしひしと伝わって来て、もっと聴いていたかったです。

今回のサロンは演奏も多くてぎゅぎゅっと濃い時間でした。

このお二人の雰囲気は本当に素敵だなあ。

林社長のトークと演奏が聴けてたったワンコインなんて…こんなにお得な催しがほかにあるだろうか?

仮屋崎さんファンの私。
ご本人を目の前にすると舞い上がってしまい、聞きたいことも聞けませんでしたが…。

昨日は家に帰ると無性に昭和の歌謡曲が聴きたくなり、You Tubeで「東京ラプソディー」をリピートしてしまいました。

私の両親さえ生まれる前の歌ですが、とても大切な思い出の曲なんです。

古典舞踊をやっていた時に、日本の昭和歌謡をテーマにした舞台に出演したことがあって。

全8曲のうち私はソロで「りんご追分」を、四人の「夜来香」で主役パートを踊り、フィナーレが全員出演の「東京ラプソディー」でした。

「夜来香」は本番直前に急きょ代役で出ることになり、二回の稽古で振付と段取りを覚えなければならずかなり追い込まれたので、それが無事に終わった後のフィナーレではイントロが流れただけで胸がつまった―そんな記憶がよみがえります。

この曲の華やかなイントロはフィナーレにぴったりで感動が広がると同時に、生まれるはるか前のメロディーなのに不思議なほど懐かしさを感じます。

大阪に戻ってくる前、東京では体調をくずしてばかりで気持ちも落ち込みやすく、インプットもアウトプットも圧倒的に足りていませんでした。

今、子どもの頃から大好きな存在がこんな風に身近にあって、直接お話を聴ける機会があるのですから、本当に幸運です。

何らかのスイッチを押してもらっているのだと思います。

11月10日に道頓堀ZAZAで催される無声映画の会「ああ、懐かしの活動大写真」はまだご予約可能だそうですので、興味のある方はちんどん通信社さんにぜひご連絡を!