一昨日は「林幸治郎のちんどんナイトVol.1『ちんどん道を極める』」を見てきました。
会場はミナミのライブハウス・Loft PlusOne West(ロフトプラスワンウエスト)。
仕事で時間ギリギリだったうえ、いつもとは別方向から歩いていたらちょっと迷って道を聞いたのが運のつき。
全然ちがう方向を指されてかなりの距離をムダに走り、20分も遅刻してしまいました。
心折れかけてもう帰ろうと何度も思いましたが…やっぱり行って良かった!本当に!!
大充実&大感動のちんどんナイト内容
「ちんどん通信社」林社長のほか、小林信之介さんとジャージ川口さんもご出演。
このお三方、バランスが絶妙で三者三様のかっこよさ!
ご本人たちが「バラバラやねん」とおっしゃるとおり、お一人お一人の個性が際立っているのに素晴らしい一体感があるんです。
あらかじめやると打ち合わせしている曲は、絶妙なタイミングで音を入れ始める。
社長が舞台上で急に「あれやろうよ」みたいに振る曲もあって、それにも即対応。
長年ともに活動してきたことで醸し出される呼吸や雰囲気って素敵だなあと思います。
アシスタントと歌で青木美香子さんもご出演。
相変わらず麗しいお声と笑顔でございました。
こちらの会場、みんな好きなお酒を飲みながらショーを見るスタイルなのですが、舞台も掘りごたつのようになっていて、演者がリラックスして臨めるので和やかな空気になりやすい。
だけじゃなく、出演メンバーも皆さん飲みながらという緩さも魅力でした。
↑「初代の奥様」と「二代目の奥様」の写真を掲げ、「この方がいるから現在があるんです」と
♪あんな女に未練はないが なぜか涙が流れてならぬ
男ごころは男でなけりゃ わかるものかと諦めた
『人生劇場』を歌う林社長さん(笑)
いや実際笑いましたが、こういう流れの作り方、ほんとシビれます。
『ちんどん道を極める』のテーマどおり、社長がどのような道を歩んでこられたかをユーモアたっぷりにお話され、間に歌や演奏が入るこの構成。
これだけでも贅沢なのですが、途中で貴重なフィルムも見せてくださいまして。
前半では昭和33年の「全日本ちんどんコンクール」の様子を。
娯楽が少なかったということもあり、すごく凝った装置や衣装、お客さんの数と熱気に驚きました。
チンドン屋さんがスターでした。
後半では柳家金語楼さんと三益愛子さんが夫婦役でチンドン屋を演じる、ある古い映画のワンシーンを。
今となっては差別用語だらけで上演できないらしいですが、ものすごく面白かったです。
金語楼さんの”初めてチンドン太鼓をたたく”芝居が上手すぎて…涙出るほど笑いました。
また芸能の原点に関してなど、もちろん勉強になることもたくさん。
チンドン屋が「歩く」ことの原点は地域をお祓いしている、という内容は特に興味深かったです。
歩く=踏む=除霊する。
確かにお相撲さんも四股を「踏み」ますし、そういえば日舞でよく踊った三番叟でも力強く「踏み」しめます。
農業における地固めの意味があると習いましたが、大地を「踏む」ことには元来ほかにも重要な意味があったのだろうなあ。
などと考えていたら!まさかの!
林社長の三番叟で大団円でした。
しかも青木さんが歌う森山良子さんの『翼』にのせて鈴ノ段まであった!
フィナーレには仮屋崎郁子さんも登場(うれしい)。
アンコール。中島みゆきさんの『麦の唄』を、ちんどん通信社さんの4名と青木さんで。
この時、ずっとこの会をサポートしていらしたちんどん通信社の番頭・猪俣はじめさんがスライドショーをバックで流してくださいまして。
実はその場で思いついてしたことだと後で伺いましたが、まさに「ちんどん通信社の軌跡」という感じで、とても感動しました。
社長のトークテーマ、そしてラストを素敵に盛り上げるナイス機転。
「泣きそうでした」と言いましたが、実際は涙ボロッボロ流しながら見てましたからね。
ひとつ道を何十年。
その積み重なった年月にしかもたらせない凄み、深み、味わいを感じて、心がふるえました。
トークに演奏に歌、そして舞まで!
大充実の内容で、本当に素晴らしかった。
主役の社長はもちろん、出演者も裏方さんも一人残らず最高にかっこ良かったです!!
第二弾がありますように…!
私は身内ではありませんが、このイベントをもっと多くの方に見てほしかったと心から思う。
ちんどん通信社さん、要チェックです!